相続登記を自分でやる?専門家に頼む?判断ポイントを解説

相続登記が義務化となり、より多くの方が手続きを検討するようになりました。

相続登記は相続人自身で行うことも可能ですが、相続関係や不動産内容によっては専門家に依頼した方が良い場合もあります。今回は自分で相続登記を行えるケースと専門家に依頼すべきケースを幅広く解説し、さらに自分で手続きを進める場合に潜む具体的なリスクについても詳しく触れます。

 

【相続人自身で手続きできそうなケース】

  1. 相続人が少なく、関係が良好な場合

相続人が配偶者や子どもなど少数で、全員が遺産分割の内容に同意している場合は、書類収集や協議書の作成もしやすく、自分たちで進めても大きな問題は生じにくいといえます。

 

  1. 不動産が自宅のみなどシンプルな相続の場合

対象となる不動産が1件のみであり、固定資産税納税通知書などが手元に揃っているなど状況が明確な場合は、手続きの負担も比較的小さくなる傾向にあります。

 

  1. 遺言書があり内容が明確な場合

公正証書遺言が存在する、もしくは家庭裁判所で検認済みの自筆証書遺言がある場合は、相続分が明確であり、専門家を介さずとも正確に申請しやすい状況です。

 

【専門家に依頼した方がよいケース】

  1. 相続人が多い、疎遠で連絡が取りにくい場合

相続人が複数名以上いる、数次相続が発生している、住所不明者がいるなどの場合は相続関係説明図の作成や遺産分割協議書への署名押印が難航しやすく、手続きの遅延リスクが高い傾向にあります。

 

  1. 不動産の数が多く、状況が複雑な場合

複数の不動産がある、被相続人の所有する不動産を把握しきれていない、未登記建物があるなど調査や判断を必要とする場面が多く、専門家によるサポートが有効です。

 

  1. 相続人間で意見が分かれる場合

遺産分割がまとまらない場合、申請期限を守れないリスクがあり、調整や法律的な助言が必要になることがあります。また、争いが顕在化している場合は弁護士への相談も検討しなければなりません。

 

【相続登記を自分で行う場合のリスク】

相続登記を相続人自身で行うことは可能ですが、次のようなリスクが存在します。

 

  1. 書類不備による申請の補正や却下

相続登記で最も多いトラブルは書類の不備です。特に、出生から死亡までの戸籍を全て揃えられていない場合や、遺産分割協議書の形式に誤りがある場合は補正の原因になります。これにより手続きが遅れることも珍しくありません。

 

  1. 遺産分割協議書の不備による将来トラブル

用意した書類の形式が合っていれば、書類の内容で登記がされます。実際に協議した内容と異なる協議書を作ってしまうと、後に売却や融資を行う際に再度やり直しが必要となりトラブルが顕在化しやすくなります。

 

  1. 期限内に申請できず過料の対象となるリスク

相続登記の義務化により、正当な理由なく3年以内に相続登記を行わなかった場合、過料(罰金)の対象となる可能性があります。相続人間で連絡が取れないなどの状況がある場合、自分で進めると期限に間に合わないリスクがあります。

 

  1. 不動産内容が複雑な場合の判断ミス

未登記建物の扱い、共有持分の計算、地目変更が必要な土地など、専門的判断を誤ると申請が却下され、結果的に追加費用が発生することがあります。

 

  1. 将来の売却や融資に支障が生じる可能性

形式上は登記が完了しても書類作成の不備や誤った登記が後に問題となり、不動産売買・相続再分割・担保設定などで取引が進まないケースが実際にあります。

 

【相続登記の基本手続き】

  1. 相続人の確定(戸籍収集・相続関係説明図の作成)
  2. 遺言書の確認、または遺産分割協議書の作成
  3. 固定資産評価証明書など必要書類の収集
  4. 相続登記申請書の作成と法務局への提出

 

【まとめ】

相続登記は、自分で行えるケースもあれば専門家の助けを借りるべきケースもあります。内容が簡易であれば負担を抑えつつ手続きできますが、書類不備による遅延や将来のトラブルを避けるためには、状況に応じた適切な判断が重要です。複雑なケースや不安がある場合は、早めに専門家へ相談することで安全かつ確実に手続きを進めることができます。

 

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