相続人が遠方である場合の相続手続きについて

「父が亡くなり、実家は神戸市にあるけれど、兄は東京、妹は福岡に住んでいる。」
「相続人全員が集まれない。このまま相続登記はできるの?」

このようなご相談は、当事務所でも珍しくありません。

昔と違い進学や就職をきっかけに家族が別々の地域で生活することはごく普通になりました。そのため、相続人全員が同じ地域に住んでいるケースの方が少ないと言っても過言ではありません。

結論からお伝えすると、相続人が遠方に住んでいても多くの相続手続きは郵送を中心に進めることができます。

全員が一度は集まらなければならないと思われる方もいらっしゃいますが、そのようなケースは多くありません。

ただし、遠方だからこそ気を付けたいポイントもあります。

この記事では、実務でよくある事例を交えながら、遠方に住む相続人がいる場合の相続手続きをわかりやすく解説します。

遠方相続で一番多い誤解

まず最初にお伝えしたいのが、相続人全員が顔を合わせなければ手続きできないという訳ではないということです。

実際には、

  • 戸籍の収集
  • 遺産分割協議書の作成
  • 印鑑証明書の取得
  • 相続登記

これらは郵送を活用しながら進めることができます。

つまり、相続人が北海道・東京・大阪・福岡など全国に住んでいても、それだけを理由に相続手続きができなくなることはありません。

次に、手続きにかかる所要時間について。

郵送だから時間がかかりますよね?という趣旨の質問もよくいただきます。

もちろん郵送には数日かかりますが、実務上時間がかかる原因は他にもあります。

それは、書類が止まってしまうことです。

例えば、

  • 仕事が忙しく、まだ印鑑証明書を取りに行けていない
  • 遺産分割協議書は届いたけれど、内容を家族と相談したい
  • 実印を押したあと、返送するのを忘れていた

こうしたことは珍しくありません。

遠方相続では、郵送そのものよりも相続人それぞれの予定を調整することが一番のポイントになります。

そのため当事務所では、

  • 今どの段階なのか
  • 次に誰が何をするのか
  • 必要書類は何か
  • 返送期限の目安

をできるだけ分かりやすくご案内しています。

相続手続きは、一人でも書類が止まると全体が進まなくなります。

だからこそ、手続き全体を見ながら進行管理することを大切にしています。

実務でよくあるケース

例えば、兵庫県内の不動産について、

  • 相続人は神戸市・東京都・福岡県の3名
  • 全員仕事をしており日程調整が困難

というケースでも、全員が一度も集まることなく

  • 必要書類のご案内
  • 遺産分割協議書の郵送
  • 印鑑証明書の取得
  • 相続登記

まで完了させることが可能です。

また、印鑑証明書は早く取りすぎない方がいい場合があります。

意外と知られていないのが、この点です。

印鑑証明書は取得すれば終わりではありません。

金融機関などでは、発行から3か月以内のものを求められることがあります。

そのため、早めに取得すると場合によっては取り直しになることがあります。

必要書類は、取得する順番も大切です。

 

よくあるご質問

Q.相続人全員が集まらなくても相続登記はできますか?

A.はい。多くの場合は郵送によって進めることができます。

Q.不動産は兵庫県、相続人は全国に住んでいます。相談できますか?

A.もちろん可能です。

Q.司法書士へ依頼すると銀行の相続手続きも相談できますか?

A.相続登記だけでなく預貯金の解約や法定相続情報一覧図の取得など、関連する手続きも含めてご相談いただけます。案件に応じて必要な流れをご案内いたします。

遠方に住む相続人がいるからといって、相続手続きを諦める必要はありません。

相続手続きは、最初の段取り次第でその後の負担が大きく変わります。

神戸三田司法書士事務所では、戸籍収集から相続登記まで状況に応じて分かりやすくサポートいたします。

また、相続登記をご検討中の方は、当事務所ホームページの「相続登記の義務化」「法定相続情報一覧図」「相続登記の必要書類」に関する記事もあわせてご覧いただくと、全体の流れをより理解しやすくなります。

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